メルエムが毒でやられた理由を考察

キメラアントの王メルエムの最後は毒にやられてしまうというものでした。

この終わり方には賛否あるとは思いますが、
この「毒」というものについて
物語の終わり方についても少し掘り下げて考察していこうと思います。

毒は放射能の暗喩

 

作中の表現では薔薇には「毒」があった。と表現されています。

ネテロが体内に仕込んでいた爆弾である
貧者の薔薇(ミニチュアローズ)は小型の爆弾で
大爆発を起こした後に、毒を撒き散らし、爆撃を逃れた者に毒が感染されます。

感染するしないなど細かい違いはあれど、
薔薇が核爆弾が元ネタになっていることは明らかです。

ここで大事なことは・・
「毒」とは表現されていますが実際は
放射能のようなものだと考えるほうが無難でしょう。

つまりメルエムは単純な毒でやられたというよりかは
もっと強大な化学兵器のようなものでやられたという感じでしょうかね。

無意識のうちに身体が犯されていく恐怖。
どんな強者であっても関係なくむしばんでいく病。

 

ハンターハンターの作中には他にもいくつか毒が出てきています。

ハンター試験にも毒が出ますし
団長がベンズナイフに仕込んでいた
「0.1mgでクジラとか動けなくする薬」も毒の一種のようでした。

薔薇の毒はこれらの毒とはまったう別物であり、
毒と表現しているだけで実際は放射能に近いようなものなのだと思われます。

 

『どんな強者でも対処できない物も世の中には存在する』
というのがメルエムが毒でやられた分かりやすい理由でしょうか。

作品として考えた場合など
もっと深く突っ込んだ理由については下記にて。

 

薔薇の毒は感染する?

 

薔薇で被毒した者の肉体は新たな毒となり
さらに被毒者を増やしていくと説明があります。

つまり感染するということです。

しかし、、、
被毒したと思われる3名と接触している数名がほぼ死に至ってはいません。

メルエムは爆撃をモロに食らったのでその際に被毒しています。

ユピーとプフは爆撃には巻き込まれてはいませんが、
爆発現場周辺をウロウロしていたので被毒したと思われます。

この3名は最終的に毒で力尽きてしまいます。

 

ナックルとメレオロンが秒殺でありますがメルエムと接触しています。

ウェルフィンに関してはユピー、プフ、メルエムと被毒者全員と接触しています。

その後、パームはメルエムと会話しています。

最後はメルエムとコムギが一緒に過ごし、コムギは感染して死亡します。

 

ウェルフィン→問題なし
パーム→問題なし
ナックル→問題なし
メレオロン→問題なし
コムギ→メルエムから感染

詳しい説明がないので詳細は不明ですが、、、いくつか説があるようです。

 

1.肉体が毒になるまである程度の時間がかかる

2.一緒にいる時間の問題

3.触れているかどうかの問題

4.死後に一緒にいたかの問題

 

1に関して
ユピーが毒死するタイミングで
ウェルフィンが近くにいるので違うように思えます。

もしくは毒にはなっていたが接触していない
距離感がある程度あったからセーフとも捉えれます。

 

2に関して
個人的には一番しっくりきますね。
結局感染したのがコムギだけだというのは
被毒者(メルエム)と一緒にいた時間が長かったからではないでしょうか。

被毒者と接触した他の者は実際の時間では数分程度のものだったとすると、
コムギはメルエムと最後の時間を対局を何度もしています。

1局打つのに何分かかるかは分かりませんが、
普通に考えて数時間くらいは一緒にいたのではないでしょうかね。

対して他の者は話たり秒殺されたりで
数分程度の接触しかなかったのでセーフだったと。。

 

3に関して
ナックルもメレオロンもメルエムと接触はしています。
多分この説は違うんではないかと思われます。

 

4に関して
コムギだけが死亡したことを考慮すると
一見正しいっぽいのですが、メルエムが死亡した描写の時点で
コムギもすでに被毒しているように見えます。

なのでこの説も多分違うかなと思います。

 

ゾルディック家には毒耐性がある

 

理由は謎ですがゾルディック家には毒耐性があるようです。

シルバの毒耐性はキルアと比べて完璧ではないようです。

 

ここではよく議論になっている
「薔薇の毒はキルアには効くのか?」について少し触れてみます。

結論から言うと・
上記したように薔薇の「毒」というのはあくまで比喩にすぎません。

 

つまり家庭の事情で毒耐性のあるキルアであっても
肉体を破壊する放射能の類の毒となればおそらく効果はあるでしょう。

まあメルエムでも倒せるほどですからね。
さすがにキルアには効果がない毒とかいうのもちょっと..
とは思ってしまいますね^^;

 

ボスが毒でやられるオチってどうなの?

 

通常ラスボスというのは主人公によって倒されるのが運命です。

キメラアント編でいえば、普通の展開ならメルエムはゴンさんに倒されるのが妥当でしょう。

ですが、メルエムは主人公に負けるどころか、最初から最後までゴンとは接触すらしません。

そして最後は念能力者に敗れるのではなく兵器によって敗北します。

 

私はこれには大きく2つの意味があるのではないかと思っています。

 

1.パワーインフレを防ぐ

2.実際やったらどうなったのかを想像させる

 

パワーインフレの防止

主人公がラスボスといっさい関わらないで
話が終わるというのも凄いのですが
うまくパワーインフレを防いでいるのも上手いと思いました。

 

少年バトル漫画は話が進むにつれて
どうしてもパワーインフレが起こってしまいます。

 

有名どころだと、ドラゴンボールの戦闘力の概念などです。

最初はラディッツとか「戦闘力1000とかヤベー!!」って感じでしたが、、、

やがてそれを上回るナッパ、ベジータというサイヤ人が現れ、
宇宙ではベジータ以上の戦士がゴロゴロといて
その中でもフリーザという王は戦闘力が53万というヤバさ。(しかも変身前)

そのフリーザも最終的には
雑魚キャラの界王神さえワンパンで倒せると言われてしまいます。。。

 

要は強者現れそいつを力でねじ伏せてしまえば
次の敵はそれ以上、次の次はさらにそれよりも強く強く・・・

と、永遠に続いてしまうため
結果的に物語初期~中期の強敵は後半には雑魚化してしまうわけですね。

パワーインフレを防ぐには
主人公サイドについて元々敵だった強者が見方になる
ピッコロ、ベジータのパターンしか基本ありません。

主人公側につくことで一緒に成長させれるので
ある程度物語が進んでもそのキャラ自体も進化できます。

 

話をハンターハンターに戻すと、、、
メルエムの価値を暗黒大陸編以降でも落とさないためには
メルエムがパワーでねじ伏せられない展開にする必要があるということです。

 

念能力では勝つことができない強敵を描くことで
主人公側が今後どんなに強い念能力を手に入れたとしても
「でもまあ、メルエムには勝てなかったよね」
と、神格化するこも可能になります。

 

そのためには単純にパワー勝負で勝つのではなく
爆弾とか罠にハメるとか運が良かったとか、、
単純にパワーで勝てなかった理由付けが必要になります。

色々と考えると、キメラアント編の最後はパワーインフレ防いでいるオチとも考えれますね。

 

実際やったらどっちが強いんだ?! と読者に想像させる

ゴンとメルエムが戦わなかったことで
「もしメルエムとゴンさんがやっていればどっちが上だったのだろう?」
ということを想像させて楽しませてくれます。

キメラアント編は王道ではないオチではありますが
ラスボスを倒すために主人公が覚醒するところまでは王道パターンです。

フリーザを倒すために超サイヤ人に覚醒した悟空のように
ゴンもカイトをやられた怒りで超サイヤ人のようなモノへ変身するわけです。

ここまでは王道なんですが、
この力をフリーザに使わずギニュー隊長に使うという感じです。

 

キメラアント編を前編、後編に分けると
前編でしっかりと師弟関係を築き上げ、師匠がやられたような演出を見せる。
その目標がラスボスではなくラスボスの側近に向けられる。

このストーリー構成自体も神がかっていると思いました。
王道展開と富樫さんの独自の世界観を上手く融合させている感じでしょうか。

 

ピトーはゴンさんにボコられながら
この力が向けられるのが自分で良かったと安堵しています。
つまり内心では王よりもゴンさんの方が上だと感じているわけです。

ですが、ピトーの知る王はユピーとプフを吸収する前の覚醒前でもあります。
ゴンもですが、メルエムも作中で覚醒しています。

さらにメルエムは能力をほぼ使っていませんが
能力者を食ってオーラを自分に取り込むことができるのでまだまだ成長過程ともいえます。

 

ただ、もしも覚醒前のメルエムとゴンさんが接触していれば
王がピトーのようにワンサイドでボコられていたかも・・
と、想像するとなかなかゾクゾクします。。。

 

このようにラスボスと覚醒した主人公をあえて接触すらさせないことにより
結局どっちが強いんだ!という議論やら想像が楽しめるわけですね。

これはキメラアント編全体にもいえることで
ハンターハンターの作中トップクラスが
蟻退治に乗り込んでこなかったことで
誰と誰はどっちが強いのか意図的なのか分かりにくくなっています。

ヒソカがもしピトーと戦っていれば・・
とか、クロロとメルエムなら・・とか色々想像しても楽しいです。

 

おそらく作中トップの強者同士をあまり接触させないことで
力関係を分かりにくくさせ、たまにネテロVSメルエム、クロロVSヒソカ
みたいなことをして盛り上げていっているのでしょう。

 

まとめ

・念能力では敵わない存在もある

・どんな強者でも倒せてしまう現実の兵器の恐ろしさを表現

・パワーインフレを防いでいる

・強者同士をぶつけないことで実際やればどうだったかを想像させてくれる

 

現実世界においてもっとも驚異である物が元ネタであると捉えると
この結末、ただ単純にラスボスが毒で負けた程度の薄い内容ではありません。

余も最初は「毒で負けるラスボスってww」と愚弄していましたが
しっかりと読み直してみると、やっぱりハンターハンターってすげーなと…感動しました。