国民的漫画として愛され続ける「ドラえもん」。実は、本作には公式の最終回が存在しないため、ファンの間では様々な「最終回」の都市伝説が語り継がれています。
希望に満ちた感動的なものから、背筋が凍るような悲しいものまで、その内容は多岐にわたります。
ドラえもん最終回説その① 植物状態説(すべては夢だった)

最も古くから知られ、そして最も悲しい最終回説がこの「植物状態説」です。ある日、のび太は交通事故に遭い、植物状態のまま眠り続けてしまいます。ドラえもんやひみつ道具、仲間たちとの大冒険といった物語のすべては、実は病院のベッドの上で、のび太が見ている悲しい夢だった、というものです。
あまりに救いのない結末ですが、この説は原作者である藤子・F・不二雄先生本人が、インタビューで明確に否定しています。

ドラえもん最終回説その② 電池切れ説(のび太がドラえもんを蘇らせる)

ファンの間で「最も泣ける最終回」として有名なのが、この「電池切れ説」です。ある日突然、ドラえもんが電池切れで動かなくなってしまいます。もし電池を交換すれば、のび太と過ごした日々の記憶はすべて消えてしまいます。
のび太はドラえもんとの思い出を守るため、ドラえもんをそのままの状態で保存し、自らの手で修理することを決意。猛勉強の末に世界的なロボット工学者となり、数十年後、ついにドラえもんを記憶もそのままに復活させるという感動的な物語です。
ドラえもん最終回説その③ 未来に帰る別れの回(公式の“仮”最終回)

都市伝説ではなく、実際に原作漫画に描かれた「仮の最終回」の一つが「さようなら、ドラえもん」というお話です。何らかの事情でドラえもんが未来へ帰らなくてはならなくなり、のび太はドラえもんを安心して未来へ帰すため、たった一人でジャイアンに立ち向かいます。
ボロボロになりながらも決して降参せず、ついに勝利するのび太の成長と、二人の深い友情が描かれた名作です。もちろん、このお話の後には、ドラえもんが再び帰ってくる「帰ってきたドラえもん」という続きも描かれています。

現在のドラえもんの連載は?
2025年現在、藤子・F・不二雄先生による原作漫画「ドラえもん」の新規連載は行われておらず、物語は1996年に完結しています。
しかし、テレビアニメは現在も毎週放送が続いており、映画シリーズも毎年新作が公開され、大きな人気を集めています。その他、新聞での連載企画やミュージアムでの展示などを通じて、原作完結後も「ドラえもん」の世界は広がり続けています。
単行本は全45巻で電子書籍でも読めます。
